2012/03/17-20 韓国旅行に行ってきた。
KRパスを使ってKTXに乗ったのでそのレポ。
今回の旅では1日くらいはソウル以外に行ってみようということで、韓国の誇る高速鉄道KTXに乗って釜山まで日帰りで旅行することにした。
まずは運賃について。(100W=8円で計算)
普通にソウル-釜山(423.8km)をKTXで往復すると週末は115,400Wであり日本円で9,232円となる。
ちなみに東海道新幹線で新横浜-米原(417.1km)をひかり指定席で往復すると23,480円である(^_^;)
このように日本の感覚からすると普通運賃でさえめちゃくちゃ安いのだが、他の国の例に違わず韓国でも外国人向けのフリーきっぷが発売されている。その名もKRパスという。
코레일 홈페이지 방문을 환영합니다. : http://www.korail.com/kr_pass.jsp
今回買った1日用は58,200Wであり、日本円で4,656円程度だ。この切符でKTXを含めて1日乗り放題である。はい、じゃあ言いますよ、天国ですか!?
KRパスは他にも10日用まで各種あるが、期間が長いものほどその安さは目玉が引っ込むほどである。これなら乗りつぶしも楽にできそうだな。
まあ欧州系の外国人向けパスも大概安いけどね。航空は現地国内線など特に外国人に対して安くしたりしないのに、この鉄道のディスカウントぷりは何なのだろう。伝統なのだろうか。まあとにかく海外に行ったら外国人パスで鉄道旅というのは非常にお得なのだ(^O^)/
KRパスは上記サイトでクレジットカードで購入することができる。氏名のアルファベットとパスポート番号を絶対に間違えないように。
購入時にバウチャーが表示されるのでそれを印刷して持っていく。それを現地の窓口で提示してKRパスを発行してもらうのだ。その際、購入時のクレジットカードとパスポートが必要なので必ず持っていくこと。
俺は仁川国際空港の鉄道案内カウンターで交換してもらった。窓口嬢の言語は英語だった。バウチャーを見せたところ、何日券か?と聞かれたのでそのへんは現地で決められるのかもしれない。それで現地でクレジット決済なのかもね。おおむねスムーズにKRパスを発券してもらえた。次にその場で列車を予約するかと聞かれたので釜山までのKTXの予約を頼んだ。英語で伝える自信はあまり無いので(^_^;)、俺はあらかじめ希望の列車を英語で紙に書いておいてそれを渡して予約してもらった。
ジャジャーン!これがKRパスとKTX乗車券だ!KRパスの通し番号が550番なのがわかる。先頭が12で始まっているので今年550枚目なのだろうか。だとすれば年間でも2,500枚程度ということになり発行数はかなり少ないということになる。KTXの乗車券はなんとレシートだwこれはエコを考えてのことらしい。磁気式乗車券は廃止になったと聞く。進んでるなあ。まあ俺も新幹線はEX-ICで乗ってるけどね!一応w
さて、注意したいのはKRパスはあくまで乗車券であるという点だ。普通列車はそのまま乗ることができるが、優等列車に乗る場合は例え自由席であっても乗車券が必要になるのだ。日本の特急に乗れるフリーパスとはそこが異なる。俺は最初、日本の感覚でKRパスだけ持ってKTXの自由席に飛び乗ればいいやと思っていたので、ちゃんと調べなかったらトラブるところだった。しかもKTXは週末は自由席がないらしい。そして面倒な事にKRパス利用者は必ず窓口で優等列車の乗車券を発行してもらわなければならない。自動券売機で英語や日本語でピピっと買うことができないのだ。地味な地方駅の窓口で英語が通じるかは…かなり怪しい。まあいざとなったら紙に書けば何とかなると思うけど。
さあソウル駅からKTXに乗るぞ!地下鉄と違い改札はないのでそのまま列車に乗る。
これがKTX-Iだ。顔は違えどいかにもTGVって感じ。20両編成で、先頭と最後尾の車両が動力車になっている動力集中方式だ。日本では見ない編成形式なので物珍しい。でもヨーロッパに行かなくても韓国でいくらでも体験できることがわかってなんか嬉しい。
先頭車両の写真を撮っていたら、日本人の観光客の人が写真を撮りに来たので記念撮影をお互いにした。韓国はどこに行っても日本人がいるのでいろいろと楽だw
車内はまんまTGVなのでまるでフランスに来たみたい。2人×2列のシートなので新幹線よりは狭く感じる。自動ドアが動くときのプシューというエアの音が大きくて特徴的。デッキの仕切りがガラスだったり授乳室が広く取られていたりしてヨーロッパっぽいが、このあたりは最近は日本でもおなじみである。日本の車両ではあまり見られない特徴として、画像のように座席が車両前方と後方の半分で向きが別れており、固定になっている。つまり2分の1の確率で後ろ向きのまま旅行をしなければならない座席になってしまうのだ。もちろん先着順で順向きの座席を販売しているが、これは人によってはとても嫌だろう。どうしてこうなっているかというと、ヨーロッパは都市ごとに行き止まりの終着駅に到着するのでそのたびに何度も進行方向が変わるからである。そういうTGVをそのまま韓国に持ってきたから、進行方向が一度も変わらないのにこうなっているのだ。
以前本家TGVに乗った時にも感動したが、発進、停止時のスムーズさがすごい。非常に滑らかである。客車列車なのだからと日本の寝台列車のそれをイメージして乗ると、そのスムーズさに驚かされる。カタンともいわない。スーっと発進する。連結器がものすごい高性能なのかな?
あと客車なので運転時はモーター音がしなくて静かだ。しかしN700系と比べて大きな差が感じられるほどではない。また機関車は轟音を発しているはずなので沿線への騒音は大きいだろう。
加速感はあまり感じない。いつの間にか超高速で走っているという感じ。このあたりは新幹線の方が短距離で最高速に達しようとするためなのか加速度が大きい感じがした。
走行中の振動は新幹線と同様かなり小さい。300km/h運転をしているのだから路盤・軌道は超高品質だ。ちなみにスラブではなくバラストである。
乗車中は車掌が何度か行き来していたが、結局改札は無かった。端末で予約状況を確認して、その区間で売れていない席にいる乗客にのみ声をかけている感じだった。つまりKTXには黙って乗って黙って降りられた。これは日本と違って良いサービスだ。日本はとにかく乗車券をチェックしすぎ。俺が行った国の中では最も車内改札が多いと思うしおまけに駅でも改札する。
車内ではワゴンサービスがある。また、車内の自動案内放送は韓国語、英語、日本語、中国語で行われていた。これは新しい地下鉄車両でも同様だ。車内のモニターにも停車駅が表示されるので安心して旅行できる。ただ到着を知らせる車内放送から実際の到着までの時間がかなり短い(^_^;)
ソウルと韓国第二の都市釜山を結ぶこの路線は、日本で言えば東海道新幹線の東京-新大阪間にあたる花形路線である。ここでKTXと新幹線の速達性に目を向けてみよう。
今回釜山まで乗ったKTX113はソウル-釜山間423.8kmを2時間42分かけて走るので表定速度は157km/hである。(最速達列車は184km/h)
適当に検索したのぞみ111号は東京-新大阪間552.6kmを2時間36分で結んでおり、表定速度は213km/hになる。(最速達列車は228km/h)
圧倒的に新幹線のほうが速い。最高速度はKTXが300km/hであるのに対し、新幹線は270km/hであるにも関わらずである。こうしてみるとKTXはまだまだ余力を残しているように思える。300km/hで走っている区間がまだまだ短いのだ。線形も悪くないから停車駅削減などで短縮が可能だろうと思う。新幹線も最初からこんなに速かったわけじゃない。まあ国ごとにいろいろ事情(通過すると怒られるとか)はあるのだろうけど。
逆に、東海道新幹線がいかにぶっ飛ばしているかがわかる数字だ。表定速度がこれならほとんどの区間で最高速度を出していることになる。よくぶつからないもんだ。
ともあれKTX113は10:42定刻通りに釜山に到着した。新幹線と異なり在来線と同じ駅に到着するので一瞬あれっ?と思ってしまう。そのへんもヨーロッパテイストだ。そうだな、大都市周辺まで完全に専用線にすれば速達性に貢献することだろう。ヨーロッパテイストはなくなってしまうだろうけれども。しかしそう考えると日本の新幹線の完全分離方式は世界でも珍しいんじゃないだろうか。
総じてKTXはとても快適で素晴らしい高速鉄道だった。
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